人生最大の買い物が住宅だと思いますが、年を重ねてくると、若いときには考えなかった心配や問題が起こってきます。子どもも独立して、そろそろ老後のことを真剣に考える50代は自分の住む家についてどんなふうに考えているのでしょうか。家選びに失敗しないようにぜひ読んでおいてください。
20代・30代のうちに読んでほしい、50代が考える終の棲家
2019年1月8日



1.50代になって出てくる老後の心配
50代になって心配になってくるのは、主に次の3つです。
お金の心配
人生100年時代と言われるようになりましたが、会社の定年は60歳で、65歳までは任意で勤務というところが多いと思います。会社の規模によっては65歳まで働けないところも。65歳から年金がもらえるものの決して十分ではない額、退職金もそれほど多くないし、でもこの年齢で仕事は見つけるのが難しいし、という不安要素は一杯です。
自営業の場合は定年がないものの、退職金はないし、国民年金なので備えがないと本当に厳しい状況です。
貯金を切り崩していって足りなくなったらどうしようという心配があります。
健康の心配
貯金を切り崩すのが心配なのは、いざという時のためです。その一つが健康です。歳を取ってくると、病気や介護が心配になってきます。
入院して手術をするとか、介護認定される状態であれば、保険金などで賄うこともできますが、検査を受けるのは対象外でお金がかかりますし、薬や病気と共存しなければいけなくなるかもしれません。
一人になる心配
結婚して家族ができても、いずれ子どもが独立し、配偶者が先に亡くなると一人になります。
平均寿命を考えると女性の方が長生きですから、女性はおひとり様で生きる可能性大です。
一人になると倒れても発見してもらえない、重たい荷物を運びたくてもできない、困った時に聞いたり助けてもらう人がいない、防犯上心配がある、などいろいろな心配が出てきます。
2.老後はどこに住んだらいいだろう
これらを踏まえて、老後はどこに住んだらいいのでしょうか。若いときに買った家に住み続ける方法もありますが、子どもが独立したり、介護など、状況によって住み替えもお勧めです。
住む場所別に、どんな特徴、メリット・デメリットがあるのか見てみましょう。
持家vs賃貸
老後の収入を考えると、家賃を払い続けるのは結構な支出ですし、高齢者には貸してくれないところもたくさんあります。
一方で、若いうちに高額な家を買ってしまいローンが払い終わっていないと、住み替えが必要な時に対応できなくなります。
一軒家vsマンション
防犯や、昨今の災害を考えるとマンションの方が無難です。また、マンションの場合、特にシニア向けの場合はコンシェルジュや見守りサービスが付いているところもあるので、安心です。
子どもが同居してくれるのであれば、一軒家も安心で気楽かもしれません。
都心vs郊外
通勤があったころは都心の方が便利でしたが、静かで住宅費のコストもかからない郊外の方がいいかもしれません。商業スペースよりも、生活に必要なスーパーや病院、駅が近い方が便利になります。
一般vs介護サービス付き
高齢者向けには、賃貸や分譲でも、食事や見守り、介護のサービスの付いたところもありますし、介護施設もあります。
例えば食事のサービスがあれば食事を作らなくても済むというメリットもありますが、必ず決まった時間内に食べなければいけないというデメリットもあります。サービスの度合いが強いほど自由度はなくなります。
3.20代・30代のうちに考えておいてほしいこと
では、20代・30代のうちに考えておかなければいけないのはどんなことでしょうか。
住み替えも考える
上述のように、老後は状況によって住み替えが発生します。住宅を購入する場合は、高額なローンを組まない、売却のことも考えて物件選びをするようにしましょう。
購入物件を老後に貸し出す、あるいは投資物件を購入しておいて老後の住まいにする、などいくつかのパターンを検討しましょう。
一人でも生きていける
おひとり様になった時を想定して、家事ができる、お金のやりくりができる、電球の取り換えなど生活に必要なことが一通りできる、困ったとき助けてくれる人を作っておく、など日頃から生活能力を高めておきましょう。
体力をつけておく
介護が必要な状態になると、今描いているライフプランが崩れてしまいます。 健康な長寿でいられるよう、今から健康管理をしておきましょう。
コツコツお金を貯めておく
お勤めをしていて定期的な収入があると、それがずっと続くという錯覚に陥ります。定年を迎えれば給料は無くなりますし、その前に仕事を辞めるかもしれません。一度100歳まで生きる場合にいくら貯めなければいけないのかを計算してみると、貯める目標が明確になるでしょう。
家の購入は、いろいろ考えなければいけない要素があります。だからこそ、先のことも考慮に入れて失敗のない買い物をしてほしいと思います。