40代を過ぎ、ちらついてしまうのは老後のこと。今までも、しっかり年金を払ってそれなりに準備してきたけれど、果たしてそれで「本当に足りるの?」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか?
40代、年金を貰えるまでの25年で出来ることをまとめてみました。
まだ間に合う!
40代からの「自分年金」のススメ
2016年8月30日



25年で自分年金を準備する

働く女性が増えてきて、自分自身で厚生年金に加入し続ける人が増えています。厚生年金に加入している人は国民年金だけの人に比べて将来の年金受取額が多いというのはお金の教養がある女子なら知っているでしょう。
しかし、いま現役世代の私達が払っている国民年金や厚生年金などの公的年金は、いまのリタイア世代を支えるもの。
このまま少子高齢化が進むと、今の現役世代がリタイアする頃には公的年金を支える将来の現役世代がますます減少していくことも考えられ、不安になるのも当然です。
自分が掛けたお金を自分の老後に受け取るためには、「自分年金」をつくること。自分のお金が自分に還ってくる自分年金を準備することで、少なくともお金の不安は解決できるんです。
え?老後資金に1億円?!

では、自分年金のためにいくら準備すればよいのでしょうか? 夫婦でゆとりを持った老後生活をしようと思うと、月当たり約35万円が必要です。
厚生労働省の簡易生命表(2015年)によると、60歳時の平均余命は男性で23.55年、女性は28.83年なので、60歳から妻の終焉までで約1億1,550万円必要ということになります。
ちょっとレベルを下げて月30万円で生活するとしても、約9,900万円。
老後生活資金として1億円前後が必要になりそうです。 でも、不安もありつつ、やはりリタイア後の収入減として公的年金があるんです。 公的年金の受給額は加入している年金の種類、年数、標準報酬月額などによって、人それぞれですが、厚生年金に加入している人の平均的なケースでは月に約20万円とされています。
つまり、公的年金で生活費の約3分の2を充当し、足りない3分の1を自分年金で充当できるよう、約3,300万円を準備すればよいということ。
そうはいっても、25年間で準備しようとしたら、月々11万円を貯金しなくてはいけません。 グズグズしているうちにもっと負担が大きくなっては大変。早く始めましょう。
25年間でできること

自分年金づくりでまず利用したいのが年金用の金融商品。 原則、老後に年金として受け取るために設計された商品なので、効率的に準備することができます。
個人年金保険
生命保険会社が取扱っている個人年金保険。契約時に定めた年金開始年齢から一定期間あるいは終身にわたり年金を受け取ることができます。
一定期間受け取るタイプが「確定年金」、終身のタイプが「終身年金」です。 受取期間が長いほど払込む保険料は高くなります。
積立型の保険なのですが、低金利が続く今のご時勢、利回り的には魅力は薄いと言わざるを得ません。 それでも所定の要件を満たすと所得税と住民税が安くなる税制メリットは魅力です。 勤務先によっては給与天引も可能ですし、そうでなければ口座振替が可能なので先取り貯金として活用できますよ。
財形年金貯蓄
勤務先に財形制度が導入されている場合は「財形年金貯蓄」を利用できます。
財形年金には貯蓄型と保険型があり、貯蓄型は財形住宅貯蓄と合わせて元利合計550万円まで、保険型なら払込額385万円までにかかる利子が非課税になるというメリットがあります。 給与天引が基本なので先取り貯金として貯まる確実性が高く、できるだけ早くから始めたいですね。
ただし、財形住宅に加入している人や加入する予定の人は、貯蓄型の財形年金だとせっかくの非課税枠が小さくなってしまいます。 非課税の金額だけに目を奪われないで、保険型を利用するなど注意が必要です。
確定拠出年金(iDeCo)
自分が払込んだ掛金を自分で運用し、その結果で将来の年金額が決まる確定拠出年金。 運用する商品には投資信託や株式、預貯金、生命保険などさまざまで、これらを組合わせることも、途中で変更することも可能です。 複数組み合わせる場合はその割合も自分で決定します。
お金の増え方をスピードアップさせるために金利がより高く複利効果のある投資信託などを選ぶのもいいでしょう。 会社単位で加入する「企業型」と、個人で加入する「個人型」の2タイプがあります。
払込む掛金は所得控除の対象、運用中の値上り益や利子は非課税、年金受取時には所得控除の対象になるなど、税制メリットも大きいのが魅力です。
確定拠出年金(iDeCo)については「今、最も知りたいiDeCoのこと! そもそもiDeCoとは?」にて紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
複数の方法を組み合わせ、自分にピッタリの方法で運用を

このように、自分年金づくりにはさまざまな方法がありますが、どれかひとつだけに絞ってしまうのはあまりおススメできません。 たとえば節税メリットにも言えますが、節税できる金額にはそれぞれ限度がありますね。 メリットをフルに享受するためには各限度額の範囲内に納まるよう、複数の方法を組み合わせて自分年金をつくることも必要なのです。
その他にも、たとえば積み立て投資で資産を形成するという方法もあります。積み立て投資については月1000円でも「今からやれば、100万円の差? 積立投資の恐るべきパワー」をご覧下さいね。 収益性を求めるのも大切ですが、老後資金は安全性が何より大切。25年間あるのですから、安全性と収益性を見ながらバランスよく準備していきましょう。